5/30(金)PFM@東京ドームシティホール

イタリアのプログレッシヴ・ロック・バンド、PFM(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ)の6回目の来日公演を観てきました。私がPFMを観るのは初めて。

PFMが来日するのは2011年の「イタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル秋の陣2011―夢のまた夢」以来3年ぶり。2011年には夏と秋に二度来日公演を行ったのですが、どちらもフェスティバルの出演者としてで、単独公演となると2006年以来となります。

これまでの来日公演はクラブチッタで行われることが多かったのですが、今回の招聘元はクリエイティブマンです。とはいえストレンジ・デイズの岩本晃市郎が絡んでいるところを見ると、中身はそう違わないのかも。

18:00の開場時間少し前に東京ドームシティホールに到着。マイミクさんにご挨拶をさせていただきながら開場を待ちます。ホール内の最終チェックとやらで若干開場が遅れ、とりあえずロビーのみ開場となります。グッズは興味がなかったのですが、とりあえずロビーに入り、本会場を待ちます。こうやって見るとジェフ・ベックだったりラッシュだったり、みなさん思い思いのロックTシャツを来ていますね。あまりオシャレな方がいないのがプログレのライブっぽいです。

これまで座席数600席のクラブチッタで来日公演を行っていたバンドが、突然座席数2700席の東京ドームシティホールで集客は大丈夫だろうかと思いましたが、案の定第二バルコニーと第三バルコニーは閉めきっていました。第一バルコニーもお客さんがいるのは正面のみで、左右は空席です。一応、アリーナはお客さんがいましたが、自分は前の方だったので全部埋まっていたかは確認してません。仮に全部埋まっていたとすると1000人ぐらいは入ったのでしょうか。

「40th Anniversary Special Concert -Original Album Complete Live-」

PFM
Franz Di Cioccio (Drums, Vocals)
Franco Mussida (Acoustic & Electric Guitar, Vocals)
Patrick Djivas (Electric Bass, Recorder)

Alessandro Scaglione (Keyboards)
Edoardo De Angelis (Violin, Keyboards)
Roberto Gualdi (Drums)

[第1部:Photos Of Ghosts(幻の映像)]
01. Rain Birth (Intro To The River) / 雨の雫
02. River Of Life / 人生は川のようなもの
03. Celebration / セレブレイション
04. Photos Of Ghosts / 幻の映像
05. Old Rain / オールド・レイン
06. Il Banchetto / 晩餐会の三人の客
07. Mr. 9 'Till 5 / ミスター9~5時
08. Promenade The Puzzle / プロムナード・ザ・パズル

[第2部:The World Became The World(甦る世界)]
09. The Mountain / マウンテン
10. Just Look Away / 通りすぎる人々
11. The World Became The World / 甦る世界
12. Four Holes In The Ground / 原始への回帰
13. Is My Face On Straight? / 困惑
14. Have Your Cake And Beat It / 望むものすべては得られない

[第3部:Best Of Rest]
15. Out Of The Roundabout / アウト・オブ・ザ・ラウンドアバウト
16. Universo e Terra (Preludio) / 宇宙と大地(プレリュード)
17. L'infanzia di Maria incluso La Tentazione / マリアの少女時代
18. Il Sogno di Maria / マリアの夢
19. Maestro della Voce / 声のマエストロ

[アンコール]
20. Romeo e Giulietta - Danza dei Cavalieri / ロメオとジュリエット
21. Guglielmo Tell - Overture / ウィリアム・テル序曲

開演時間の19:00を7分ほど過ぎて、なんと岩本晃市郎が登場。変な帽子に燕尾服姿です。「プログレッシヴ・ロックの最高峰を~」などと前口上を述べます。てっきり休憩を挟むかと思ったのですが、「休憩なしです」との宣言も。

いよいよメンバーが登場し演奏が始まります。今回の企画は初日が『幻の映像』『甦る世界(英語盤)』、2日目が『幻想物語』『友よ』『甦る世界(イタリア語盤)』を全曲演奏するというもの。

ほとんどMCを挟まずに淡々と曲を演奏していきます。1曲目が「River Of Life(人生は川のようなもの)」というのは普段のライブでもよくあるパターンみたいですが、2曲目が「Celebration(セレブレイション)」というのは珍しいのでは。これはエイジア『ASIA(詠時間)』を全曲再現したときも、「Heat Of The Moment」が本編ラストではなくて違和感があったのですが、同じですね。

東京ドームシティホールははじめて行ったのですが、とても音響がいい。左のスピーカーの前という音響的にはかなり厳しい位置ながら、すべての音がきちんと分離されて聞こえますし、ドラムやベースの低音もかなり響きます。

それにしてもチョッチョのドラミングはすさまじいです。とても60代後半とは思えない若々しくパワフルなドラミングです。ムッシーダははじめ若干精細を欠いていましたが、それも後半では持ち直します。ジヴァスは安定したベースを聴かせます。それにしても元気なおじいちゃんたちです。

普段はイタリア語で歌っている曲を英語で歌うこと、さらにライブ初演の曲があったりで、PFMのライブを何度も観に行っている人からするとミスが目立った場面もあったみたいですが、個人的にはほとんど気になりませんでした。

期待していた「The Mountain(マウンテン)」の混声合唱団は男4女4の8人。合唱団というにはちょっと規模が小さいですが、声量や音程はきちんとしていて、このスペシャルな企画に華を添えていました。

"Best Of Rest"のコーナーは『Chocolate Kings(チョコレート・キングス)』から「Out Of The Roundabout」、『A.D. 2010 - La buona novella』から3曲、『Suonare suonare(スオナーレ・スオナーレ)』から「Maestro della Voce(歌のマエストロ)」だったようです。

アンコールは、最新作『PFM in Classic』から「Romeo e Giulietta(ロミオとジュリエット)」、そして定番の「Rossini's William Tell Overture(ウィリアム・テル序曲)」でした。チョッチョが明日もお会いしましょうと行ってましたが、残念ながら私は本日しか行けず。

個人的には本編の「Celebration」が盛り上げのないシンプルなバージョンだったので、アンコールでもう一回「E' Festa ~ Se Le Brescion ~ E' Festa」で盛り上げて欲しかった。

それほど期待しないで行ったPFM来日公演でしたが、予想以上に現役度が高いステージで圧倒されました。2006年にプレモーリが抜けてから10年近くになりますが、その間も新作を作りライブを重ねてきた現役バンドなんだとの印象を強く感じました。