キング・クリムゾン「Uncertain Times European Tour 2018」のセットリスト
2018年6月13日ポズナン公演から始まった初夏ツアーが2018年7月28日ヴェニス公演で終わりました。(2018年6月12日に行われたフレンズ&ファミリーショウを含めて)全32公演のセットリストを振り返ってみたいと思います。
ツアーは2018年10月29日ボーンマス公演から再開され、イギリスで6公演、フランスで2公演を行った後、2018年11月27日には日本にやってきます。
「Uncertain Times European Tour 2018」で披露された曲一覧
『In The Court Of Crimson King』(1969年)から4曲
- 21st Century Schizoid Man
- Epitaph
- Moonchild
- The Court Of The Crimson King
『In The Wake Of Poseidon』(1970年)から3曲
- Pictures Of A City
- Cadence And Cascade
- Peace - An End
『Lizard』(1970年)から5曲
- Cirkus
- Bolero
- Dawn Song
- Last Skirmish
- Prince Rupert's Lament
『Islands』(1971年)から2曲
- The Letters
- Islands
『Larks' Tongues In Aspic』(1973年)から3曲
- Larks' Tongues In Aspic, Part One
- Easy Money
- Larks' Tongues In Aspic, Part Two
『Starless And Bible Black』(1974年)から1曲
- Fracture
『Red』(1974年)から4曲
- Red
- Fallen Angel
- One More Red Nightmare
- Starless
ロバート・フリップのソロアルバム『Exposure』(1979年)から1曲
- Breathless
『Discipline』(1981年)から2曲
- Discipline
- Indiscipline
『Beat』(1982年)から1曲
- Neurotica
『The ConstruKction Of Light』(2000年)から2曲
- The ConstruKction Of Light
- Larks' Tongues In Aspic (Part IV)
『The Power To Believe』(2003年)から1曲
- Level Five
トリプルドラムのみの曲
- Hell Hounds Of Krim
- Devil Dogs Of Tessellation Row
- Fairy Dust Of The Drumsons
現編成での新曲(歌モノ)
- Meltdown
- Suitable Grounds For The Blues
- The Errors
現編成での新曲(インストゥルメンタル)
- Radical Action (To Unseat The Hold Of Monkey Mind)
- Radical Action II
- Radical Action III
その他の小品
- Bass & Piano Cadenzas
- Interlude
新たに加わったレパートリー
今年のツアーから新たに加わったレパートリーが4曲あります。KCクラシックスが「Cadence And Cascade」「Bolero」「Larks' Tongues In Aspic (Part IV)」の3曲、そして新曲の「Radical Action III」です。
2017年6月11日シアトル公演で初披露され『Live In Chicago』に収録されている歌モノ新曲の「The Errors」が「Radical 3」とセットリストに記載されていた時期がありました。
今年になって披露された「Radical Action III」もセットリストには「Radical 3」と同じ表記なものの全く別のインストゥルメンタルの新曲です。
復活したレパートリー
2017年6月19日メキシコシティ公演を最後に約1年間演奏されていなかった「Fracture」が復活しましたが、2018年6月12日のフレンズ&ファミリーショウと2018年6月13日ポズナン公演で演奏されただけで、その後は再び演奏されていません。
2016年10月3日ハンブルグ公演を最後に約1年半演奏されていなかった(2017年は1回も演奏されなかった)「One More Red Nightmare」が復活しました。こちらは全32公演中17公演と比較的高い頻度で演奏されています。
演奏されなくなったレパートリー
2017年ツアーで演奏されていた「Sailor's Tale」「The Talking Drum」「VROOOM」「Heroes」の4曲は今年のツアーでは1度も演奏されませんでした。
また2017年ツアーで既に演奏されなくなっていた「A Scarcity Of Miracles」「The Light Of Day」も復活しませんでした。
演奏頻度が高かった曲
「Starless」と「Level Five」は32公演すべてで演奏されました。
「Indiscipline」は2018年6月12日のフレンズ&ファミリーショウを除く31公演で演奏されました。
「The Court Of The Crimson King」は2018年6月18日クラコフ公演を除く31公演で演奏されました。
「Cirkus」は2018年7月10日オスロ公演を除く31公演で演奏されました。ただし同公演の第1部はトニー・レヴィンのロード・ダイアリーにセットリストの写真が載っておらず不完全なものとなっており、実際は演奏された可能性もあります。
組曲「Lizard」について
アルバム『Lizard』(1970年)のB面を占める「Lizard」は「Prince Rupert Awakes」「Borelo」「Dawn Song」「Last Skirmish」「Prince Rupert's Lament」「Big Top」の6曲からなる組曲です。
2016年ツアーでは「Dawn Song」のみが演奏されました。2017年ツアーでは「Dawn Song」「Last Skirmish」「Prince Rupert's Lament」の3曲がメドレーで演奏されました。
2018年ツアーでは新たに「Borelo」がレパートリーに加わったのですが、レパートリーに含まれる4曲すべてが必ず演奏されるわけではなく、公演ごとに演奏される曲が異なります。
実際にはどの曲が演奏されたのか。トニー・レヴィンのロード・ダイアリーに掲載されているセットリストの写真から調べてみました。
「Lizard」が演奏されたのは7月3日ベルリン公演を除く全32公演中31公演。ただし6月26日のプラハ公演はセットリストの写真が低解像度のため判別できず、7月10日オスロ公演はセットリストの写真が第2部しか写っておらず不明となります。
- 「Borelo」「Dawn Song」「Last Skirmish」「Prince Rupert's Lament」の4曲を演奏:12公演
- 「Borelo」「Dawn Song」「Last Skirmish」の3曲を演奏:3公演
- 「Dawn Song」「Last Skirmish」の2曲を演奏:5公演
- 「Last Skirmish」のみ演奏:2公演
- 「Borelo」のみ演奏:7公演
- 不明:2公演
曲ごとに集計すると以下のようになります。
- 「Borelo」22公演
- 「Dawn Song」20公演
- 「Last Skirmish」22公演
- 「Prince Rupert's Lament」12公演
「21st Century Schizoid Man」の演奏頻度の低下
2014年に現編成で活動再開して以降、2回の例外(2015年11月19日トロント公演と2017年11月2日フィラデルフィア公演)を除いてほぼ全公演で演奏されてきた「21st Century Schizoid Man」ですが、今年のツアーでは32公演中23公演と演奏頻度が下がっています。
演奏頻度が低かった曲
「Interlude」が2018年6月21日エッセン公演の1回だけで最も少ないです。ただしこの曲はメル・コリンズとジャッコ・ジャクスジクのダブルフルートに、トニー・レヴィンのエレクトリックアップライトベース、ロバート・フリップのギターが音を薄く重ねる程度の小品であり、この曲を聴きたい(あるいは聴けなくて残念だった)という人はほとんどいないでしょう。
次に少ないのが「Fracture」の2回。「Breathless」「The Errors」の3回。「The Letters」「Fairy Dust Of The Drumsons」の4回、「Fallen Angel」「The ConstruKction Of Light」の6回となります。
setlist.fmを見ると「Drumsons Of ~」という曲がたくさん並んでいますが、これは"トリプルドラムがなにかする"といった程度の意味合いで実際に演奏された曲名ではありません。実際に演奏されたのは「Hell Hounds Of Krim」「Devil Dogs Of Tessellation Row」「Banshee Legs Bell Hassle」「Fairy Dust Of Drumsons」などであると思われます。